お墓豆知識

関西霊園情報局のお墓のコラム

失敗しないデザイン墓石の建て方

昨今の樹木葬人気に後押しされるように、一部の公園墓地では樹木葬と芝生墓地を融合させた新たな区画の提案がされています。

そこには、個性豊かな墓石やシンプルなものなど、色とりどりのデザイン墓石が建ちならびます。

また、寺院の境内墓地においても、膝に不安のある高齢者が屈まなくても良い高さに設計した墓石など、機能性を重視した新たなデザイン墓石が建てられています。

デザイン墓石の出来栄えを、石材店の担当者のセンスにだけ委ねるのが現状でした。

デザイン墓石を検討中の方は、本項を参考に墓石の設計についてのポイントを抑えていただき、打ち合わせの際には自身をもって担当者に意見を言っていただければと思います。

生前建墓の方におすすめいたします

生前建墓をお考えの方には、墓石完成までのタイムリミットがありませんので、時間を掛けた打ち合わせをしていただくことが可能です。

まずは、公園墓地や霊園に出向いて、色々なお墓をご覧になっていただきますと、目が肥えるのと同時にモヤモヤしていたものが整理されて形になっていくのではないかと思います。

これから墓地の確保を検討されている方は、墓地選びと同時に既に建てられた墓石のチェックもしていただきますと一石二鳥になります。

新規受付中の霊園の中には、事前に数種のデザイン墓石を用意しているところもありますので、それらを参考にさせていただくのも良いかと思います。

彫刻する文字を最初に決める

墓石正面に彫刻する文字は、目立ちますので墓石の形状とならんで特に重要な部分です。

まずは、正面文字を決めることで、彫刻面の縦横の最適なバランスが決まってきます。

「絆」「夢」「偲」などの1文字と「家名」の場合は、彫刻面は正方形に近いか、少し横広の方がバランスよく見えます。

「感謝」「悠久」「永遠」「悠々」などの2文字と「家名」の場合は、縦書か横書きかで、縦横比を検討する必要があります。

シンプルに「〇〇家」の家名のみ場合は、横書きで彫刻面も横広の墓石が多く、目が慣れているせいか落ち着いて見えます。

「〇〇家之墓」と彫刻する場合は、圧倒的に縦書きの場合が多く、横書きにすると違和感を感じるのではないかと思います。

文字の大きさについても、違和感を感じにくい大きさがあります。

彫刻面が横広の石に、縦書で4文字や5文字を彫刻しますと、一つ一つの文字が極端に小さくなり、お墓全体が貧弱な印象になってしまいます。

お墓に彫刻する文字を決めることは、専門知識がなくても出来ますので、まずはここからスタートすることをおすすめいたします。

水やゴミが溜りにくい配慮も必要

洋画を拝見しますと、芝生墓地に平たいプレートタイプの墓石が整然とならんでいる風景を見ることがあります。

筆者自身も、そのようなお墓を拝見いたしますと、とても素敵だと思います。

このような形状の墓石は、地震の際に倒れにくいというメリットがあります。

デメリットとしては、周囲のお墓が同様でない場合は、ただただ小さく見えてしまうことや、彫刻面にゴミが溜りやすく手入れが大変ということが上げられます。

プレートタイプの墓石を検討されている方は、石材店の担当者に、彫刻の際には雨水やゴミが溜まりにくい彫刻方法の提案を求めていただくと良いでしょう。

また、地面に対して並行面が多い墓石は、流れなかった水が残って汚れがつきやすくなります。

墓石の掃除を優先して考えた場合は、水が流れやすい曲線や傾斜のある平面を多く取り入れたデザインをおすすめいたします。

極端な要望は不自然な形になりかねませんので、担当者と打ち合わせの際には、「出来るだけ水がたまりにくい形の方が良いのだが・・・」と伝えていただくと良いでしょう。

墓石としての機能を損なわない工夫

墓石を設計する際に一番の制約となるところは、納骨する場所になります。

過去に、多くのお客様から希望する墓石のイメージスケッチをいただきましたが「さて、どこから納骨しようかな?」というところから、下部の設計がスタートいたします。

お墓参りを考慮した一般的な墓石の場合では、花立て・線香立て(線香皿)・納骨口とフタが必須になります。

墓石の下には、カロートとも呼ばれる納骨室があり、外から容易に納骨できるような構造が必要になります。

一番重要ともいえる強度を損なうようなことがあってはなりませんので、一般的には納骨室の真上に墓石の台が来るように設計をしています。

また、彫刻の際に必要な、正面文字彫刻面・建立記録彫刻面・埋葬された人の記録彫刻面を確保する必要があります。

球形や湾曲しているような面に彫刻をしますと、文字が歪んで見えたり、二行以上の彫刻の場合は歪みが顕著に出てしまいます。

彫刻面は、それなりの面積と可能な限りの平面を必要としますので、墓石をデザインする上では彫刻する内容がとても重要になります。

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