お墓の基礎知識
- これからお墓を建てようとご検討の方は、墓地を選んで、石材店に墓石を注文して・・・と、手順を踏んで進めていかなければなりません。本項では、墓地選びのポイント・墓地の種類・墓地の面積や墓石の大きさにしぼり、誠に簡略ではございますが解説させていただこうと思います。
墓地選びのポイント
- 墓地選びのポイントは、価格「永代使用料(墓地使用料)・管理料(墓地の維持費)・墓石工事費用」や交通の便・環境(日当たり・景色・園内管理・墓地内の水はけ・墓地管理団体)」に大別できます。
- 見学している時に、お墓参りの方を沢山見かけるようでしたら、お参りしやすい霊園といえるでしょう。
墓地の種類・特徴 (墓地運営・管理者別)
- 公営墓地(自治体)
- 公営墓地や自治体が管理する墓地では、主にその地域にお住いの方を対象に使用者の募集を行っています。(制約のない所もあります)
- 石材店を自由に選べる霊園が多く、価格やサービス等で一番気に入った石材店に建墓工事を依頼できるという利点があります。
寺院境内墓地(宗教法人)
- 多くは街中など交通至便な場所にあります。寺院境内墓地の一番の利点は、法要を円滑に行いやすい事です。
- 仏事の相談などを親身になって対応していただけると思います。
民間公園墓地(財団法人・宗教法人・社団法人)
- 霊園が選りすぐった指定石材店が、建墓から納骨の相談まで丁寧にアドバイスしてくれるので安心です。
- また、無料墓参送迎バスの運行や園内設備の充実など民間ならではのサービスを行っている所もあります。
自治会共同墓地(自治会・町内会)
- 自宅近くのお参りに便利な場所にある墓地が多いですが、空き区画が少ない墓地が多いようです。
自己所有地墓地
- 墓埋法施行以前より代々受け継がれた私有地墓地。
墓地の面積と墓石の大きさ
最近では墓地の寸法をメートル法で表示している所が増えましたが、墓石の寸法には、よく尺貫法が用いられます。
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棹石(さおいし:墓石の一番上部の石)の横幅の寸法が墓石の大きさの基準
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この事から和型墓石の場合は「8寸墓石」や「8号墓石」と呼ばれ、洋型墓石の場合は「洋型20号」などと表記されます。
墓石の下には、納骨棺がありお墓の一部を開けると、外部より納骨できる仕組みになっています。
時々「お骨が沢山あるので、大きなお墓を建てようと思う」とおっしゃる方がおられます。
関西の場合、一般的な大きさのお墓の場合では墓石の大きさに関係なく納骨棺の大きさは同じです。
ご遺骨が沢山入るようにと考え、納骨棺を必要以上に深くしたり大きくしたりしますと、納骨棺の内部に水が溜まりやすくなったり、墓石の傾きの原因になることも考えられますのでご注意ください。
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墓地面積と墓石について
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・1~2聖地墓地の場合 8寸墓石
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・3~6聖地墓地の場合 9寸墓石
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・さらに広い墓地の場合 1尺や1尺以上
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上記を目安にしていただくことで墓地全体のバランスがよくなります。
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※地域や墓地によっては墓石の標準サイズが異なります。周囲の墓石のサイズを参考にしましょう。
永代供養墓の豆知識
永代供養とは?
永代供養は、お亡くなりになった方のご供養を定期的に長期間(永続的に)続けることを前提にしています。
永代供養といいましても、寺院や霊園によりおこない方はまちまちです。
仏教では沢山の宗派があり、様々な寺院や宗教団体がありますので、お墓によって永代供養の状況は異なります。
具体的に「どのようなことをしていただけるのか」ということを、事前に確認しておきましょう。
また、永代供養の期間には特に決まった基準のようなものはありませんので期間の確認も必要です。
お墓を残す礎になる永代管理
従来のお墓は、定期的に墓地管理料を納めることで墓地の使用を継続してまいりました。
墓地の名義人がお亡くなりになる等の理由で、墓地の承継(名義変更)がされますと、新しく墓地の名義人になられた方が継続して墓地管理料を納めることでお墓を維持していきます。
昨今の少子化の影響もあり、墓地を承継する子供がおられないご家庭では、先々に墓地管理料が未納になってしまいます。
このような状況を救済するためにできましたのが、永代管理です。
永代管理では、墓地により定められた永代管理料を前納することで、墓地管理者が定めた期間はお墓が残ります。
お墓が残る期間につきましては、無期限のところや有期限のところなど墓地により様々ですので、事前にご確認ください。
永代管理は先々までお墓が残る礎として少子化の時代には心強い味方です
永代供養墓の種類
前おき
本来の永代供養墓は、ご納骨後に定期的なご供養が永続的に続く「墓石タイプのお墓」と「室内墓地での御納骨壇」のことを指していました。
少子化を身近に感じるようになってきた2000年~2005年頃より、永代供養墓が世間の注目を集めるようになってまいりました。
その風にのるように、ホームページなどで合祀墓も永代供養墓と表示するところが増えてまいりました。
その後、ある寺院が裏山を墓地として埋葬し、そこに植樹する埋葬方法をTVが取り上げたことをきっかけに、樹木葬が世間の注目を集めるようになりました。
公園墓地では樹木葬専用区画を設けて、区画中央のメインツリーの周囲に納骨をする都市型樹木葬の受付が始まりました。
都市型樹木葬では、お参りをされる方が増えるにつれて『埋葬方法⇒お墓の種類』という認識が強まり、各地で合同法要がおこなわれるとともに永代供養墓の仲間入りをいたしました。
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永代供養墓
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墓地に建てられた墓石タイプのお墓です。
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永代供養墓では永代管理が必須になりますので、受付時に永代管理料を前納する場合が大半です。
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市街地の寺院の境内にある場合が多く、交通至便なところ魅力です。
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寺院では、本堂などで定期的に合同法要などを行い、納骨されている方々のご供養をされています。
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宗派を問わず受付をしている寺院では、法事を希望される方に、檀家さんではない場合でも法事をしていただける寺院が多いようです。
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室内墓地
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室内にお仏壇と一体になったような形の御納骨壇を設置し、御納骨の受付をしています。
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先々の維持費が不要な場合が大半ですが、一般に室内墓地では永代管理料が初期費用に含まれています。
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市街地の寺院にある場合が多く、室内墓地のある施設はバリヤフリーになっているところがほとんどです。
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天候に左右されずにお墓参りができますが、消防法等で線香やローソクの使用に関する制限を設けているケースがほとんどです。
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檀家でなくても法事を依頼できる寺院では、宗派を問わずご納骨を受付けていただけます。
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室内の中心に、その部屋の御本尊様をお祀りしている寺院では、毎朝お経を唱えてくださっている場合が大半です。
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駅から徒歩でいける利便性に優れた場所にある寺院が人気です。
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合祀墓・納骨堂
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合祀墓や納骨堂の大半は、管理料の徴収や維持費は不要です。
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また、御影石のお墓や建物は寺院の施設ですので、後々に破損した場合でも修理代の請求はございません。
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以前は、合祀墓や納骨堂に納骨をする際の費用は納骨料のみでした。
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永代供養は、お寺の本堂などに位牌を安置していただいたり、過去帳に霊名を記載していただいて、別に申し込みをする必要がございました。
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そのため、ほんの20年くらい前までは、合祀墓を永代供養墓とは考えられていませんでした。
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少子化が叫ばれるようになった頃より永代供養墓が注目を集めましたが、その波にのる形で合祀墓や納骨堂も永代供養墓として紹介されるようになりました。
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合祀墓は色々な寺院にありますが、その寺の檀家さんが墓じまいをされる際に納骨する受皿として用意されている場合も多く、ご納骨の可否につきましてはご住職にお尋ねください。
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合祀墓と納骨堂の違いについて
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合祀墓は屋外にに御影石などで造られた大きめのお墓をいいます。納骨堂は、御影石のお墓ではなく建物にご遺骨を納めます。
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樹木葬
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本来の樹木葬は、山林などに埋葬し、埋葬をした場所には墓碑の代わりに植樹をする埋葬方法のことをいいました。
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一部の公園墓地などでは、少子化のあおりを受けて以前のように墓地を申込される方が減ったため、墓石型の墓地から樹木葬墓地に切り替えた受付を行いました。
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それらは、都市型樹木葬と呼ばれ新たな埋葬方法として、広く世間に浸透しています。
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樹木葬そのものは、埋葬の方法のことを指しますので永代供養とは直接リンクいたしません。
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また、新たな埋葬方法では、お墓参りのスタイルが確立されていませんでした。
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そこで、既存のお墓参りのスタイルが参考にされました。
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樹木葬の多くは、区画の中心あたりにメインツリーと称する木や供養塔のような目印になるものを設けています。
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お参りをされる方々は、誰からも強制をされることなく自然とそちらに向かって合唱礼拝をされています。
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また、その近辺で合同法要などを定期的に行うことで永代供養のお墓として認知されるようになりました。